基本的な形状は円形木枠の片面に皮を張ったもので、まれに四角形や筒状になったのもあるが片手に持つタイプの多くは、全て同じ形で存在する。ハンドドラムの音程は直径で決まる。小さいものから順に20〜80cmまで約7種類の音程がある。多く使われるのはC・D・E♭の3つで、主に器楽用に使われる。一般に、ダフ・タールまたはフレームドラムと呼ばれる。ダフ・タール・ベンディール等、中東系のものは、手や指先を使って叩き、ネイティブアメリカンおよびケルトスタイルのフレームドラムはマレットや撥(木や竹の棒)を使う、表面は山羊・または羊の一枚皮をそのまま張るか、脂を塗ってから貼る。最近ではガラスを紙状にしたファイバースキン製のハンドドラムもある。
■ハンドドラムを構成する各部の名称
@Rim(リム) :胴枠
本来の形は、丸いフレームだけであった。後に、より遠くへ響かせる目的で長い胴を持つに至った。 現在でも、木の枝や棒を曲げたり、穴を掘って作られたものがアフリカの一部や東南アジアの特定地域に存在する。使われる種類や材質は 鉄・アルミ・硬質プラスティック 木:パイン(松)ローズウッド(桜)ハカランダ(杉の一種)腐食や虫に強く加工がし易いチーク材が多く使われる。アルダーその他集合材や合板製などもある。
AHead(ヘッド) :鼓面
皮が張ってある側を鼓面・反対側をサウンドボール(響面)と呼ぶ、サウンドボールにはTHIN(浅い枠)DEEP(深い枠)の2種類があり、叩くポイントによって「響き」に違いがある。皮には山羊が多く使われる。*羊・山牛(ヤク)・ラマ等の皮を張ったもの。儀礼の折に生贄として捧げられた動物の皮を使う等、生贄にされた動物の肉を食し儀式の後に太鼓に皮を貼るものもある。この際、作られた太鼓は何代にも渡って受け継がれていく。現在では、こうした風習はあまり行われない。例外的には、コプト教の典礼・イスラムのスンニ派の一部やネイティブアメリカンの間では、現在も行われている。皮止めには膠(にかわ)などの接着剤や鋲などが使われる。
BGrip(グリップ) :握り(下部)
グリップについて 持つ場所が決まっているものと、決まってないものに分けられる。握る部分が決められているタイプには次のようなものがある。
1.胴枠に穴があり、指を指し込んで固定する: リムを半回転させて叩くスタイル
2.胴枠の一部分が削って握り易くなっている: 左指を使うスタイル
3.胴枠内側に十字のフレーム(骨組)が付けてある: 左手で十字部分を握り、主にマレットやスティックを使って叩くインディアンフレームドラムやケルトスタイルに多い
握り方によって構え方・奏法にも違いがある。大まかに分類すると@座奏(胡坐・台座) A立奏(片手・両手)B舞奏(片手)*)舞奏は山岳系民族のシャーマンの祈祷の際に見られる奏法で片手に小型の枠太鼓もう片方にはスティック状の祭祀棒(お守り)を持ち、呪文を唱えながら踊る。ハンドドラムにおけるグリップは、単に楽器を支える箇所ではない 楽器に例えれば、音程を調節したり、音質を変える部分にあたる。
1.ミュート(消音)2.チョーク(音程調節)3.ベンド(曲・傾斜)4.ホールド(固定)など左指の使い方が音質を大きく左右する
CBridge(ブリッジ) :駒(上部)
ブリッジ:グリップから胴枠を挟んで反対側の点を指し、Grip(グリップ)からBridge(ブリッジ)までを直線で結んだ距離をTAR(1音または1弦) TARの半分をオクターブポイント またはハーモニクスポイント(倍音)と呼び TARの等分点を使うことで旋律に似た響きを得ることができる。
*ポイントには 1/2tar 1/4tar 1/8tar などがあり、TAR:は古ペルシア語で『音』あるいは『弦』を意味する。