ハンドドラムマスターズは古代の音楽やハンドドラムに関しての研究論文を公開しています。
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『ハンドドラムを手にする者は…投げ出すか…変えてしまうかである』
普通はどんな打楽器でも叩けばそれなりの音がする ところがハンドドラムだけは、そうはいかない…力まかせに打っても鳴る気配さえない これは特殊な持ち方と簡単に音が出ないことにある しかし、この難問をクリアできた者は、その面白さと表現力の豊かさの虜となるのだ それ程、この楽器は多くの魅力に満ちている 言うまでもなく…私もその一人であることに間違いはない ハンドドラムの基本は手首の回転と指先の速度をコントロールすることにある 手首を鍛え、指を極限まで柔らかくする 丁度、釣り竿がしなるような感じだ 一気に打ちおろす、その瞬間…パン!と鼓面が震えて音が鳴る 構造はいたって単純だ 丸い木枠の片面にただ皮を張っただけの見た目は小さな丸テーブルのようだ 装飾や共鳴胴など無駄なものは一切ない 音色を変えたりもできるが、それらはすべて指先の微妙な力加減を使う 細かい技術的なことを言えば限がないが… 体も楽器の一部であることを知らなければハンドドラムを楽しむことはできない さてここからがスタートだ 音が鳴らせるようになったら、まずはいろんな音楽を聴いて どんなリズムがあるのか?どうしたら上手になれるのか?何ができるのか? とにかく試してみることだ やがて…その答えを見つけた時 まさにすべては自分の『手の中』にあったことを知る そして…『0(ゼロ)』から新しい進化の歴史が始まる ハンドドラムマスターズ /イッシュ
ハンドドラムとは何か?[戻る]
ここに述べる事柄は伝統の啓蒙ではなくまた既存のシステムについての反時代的考察でもない 原理から真理が生まれ、真理から定理が導き出される 定理というものは文明の数だけ存在し、文明の数だけ人間が生まれ 人間によって形が創られ、形は文明によって原理に到達しようとする 永遠の光輝く天に届こうと、巨大な摩天楼が幾千年にも渡って造られ続け あらゆる論理は、常に概念的構造をもってテクスチャーライズされて来た しかしそれは、人間という種の時間を遥かに超えた砂漠の向こうにある これはTarについてのひとつの仮説に過ぎない TARで示されるキーワードは自己遭遇と内なる神への問いかけ ○ △ □ の示す、なぞなぞの答えは母なる大地への賛歌 タールを学び自己を探求する者すべてに等しく開かれる道である 異論反論もあると思うが…どうか懐疑的な心を抱かずに読んでいただきたい ○ハンドドラムは楽器ではなく手から生まれる音を指す 一般的に、手で叩く太鼓の総称を指し、ダフやタールあるいはフレームドラムと呼ばれるものがある 最初に楽器があるのではなく両手のひらがあり、手を叩けば音が鳴る。 例えば、弦楽器には打弦・擦弦・撥弦の3種類があるように、ハンドドラムにも発音の違いを示す奏法がある。 @打音:(叩く) A撥音:(弾く) B擦音:(擦る) これをパドル(手拍子)と呼び「パドルを打った音」がハンドドラムの「起源の音」である。 ○ハンドドラムの基本はパドルにある パドル(手拍子)には全部で5つの基本となる形と音があり、次のように分類する 1. クラップ 指を揃える 中音 2. スラップ 指を広げる 高音 3. フリップ 指を傾ける 高音 4. タップ 指を曲げる 低音 5. ロブ 指を閉じる 消音○音はモーションパドルによって変化する モーションパドルは、肩・肘・手首・手のひら・指の5つのパート(部分)から成り立ち 音を発生させる時、それぞれの各部分は連動して『ひとつのモーション(叩く動作)を作りだす。』 この瞬間の手の位置から音が発生するまでの連続した流れをモーションパドルと呼び 音のコントラストや豊かな音の質感や輪郭はパドルの連続動作によって導き出され すべてのリズムは、これらモーションパドルのコンビネーションによって表現される ○すべては5つのモーションパドルにある
@ パドルクラップ 指を揃えて叩く A パドルスラップ 指を広げて叩く B パドルフリップ 指を傾けて弾く C パドルタップ 指を曲げて叩く D パドルロブ 指を閉じて擦る また叩く動作(行程:ストローク)の中には、次の5つの要素が含まれている 1. point (打点) 2. speed (速度) 3. angle (角度) 4. direction (方向) 5. position (位置)
何かを避けようとした瞬間、それぞれは無意識の内に連動して素早い動きとなるが、もしどこかに意識が働けば、その部分にだけ力が吸収され、動作は鈍くなり、片手で支えるタールはバランスを崩し、要素のいづれかが微妙にずれてしまう。結果として、ハンドドラムから豊かな響きを得ることは難しい。しかし文章だけでは説明のしようもないのも事実である。実際に叩きながらでも考えてもらいたい
ハンドドラムの起源[戻る]
最も古いハンドドラムは、初期シュメール王朝時代に始まり、それ以降アフリカ・南西アジアを始めとしてヨーロッパ・中央アジアの広大な地域と中南米から南米におよぶ世界各地に存在し、現在でも同じ形が使われ続けている。また各地域のハンドドラムを比べてみても、その形や構造は全くと言って良いほど似ている。当然これまでの歴史を通して、装飾や材質に関しての変化はあったが、明らかな相違点を見つけるというまでには至らない、しかも何千年も前からそのまま変わらないというのも全く不思議なものである。
『文明とは適した場所を求めて彷徨うジグソーパズルのひとかけらである』
これまで調べたところでは、古代シュメールを起源とする説が最も有力である。その理由のひとつに神殿祭儀と深い関係にあることが上げられる。これらは古代メソポタミアの遺跡や墓などから出土した粘土板あるいは装飾品に施された絵を見てもわかるように、教義の中心は「神=音」とされ、神殿祭儀において演奏される楽器には、それぞれ「その神を顕す名」と「トークン(紋様)」がつけられた。そして神々を讃え祈る際に、これらは祭具として用いられ、演奏は楽音を奏でることのできる神官たちだけに許された特別な行為でもあった。こうした教義上の理由からも、ハンドドラムはもっとも文明の初期から存在していたと考えられる。なぜならハンドドラムの象徴する「円」という形は、人類が最初に手にした「神」つまり信仰の対象だからである。また世界各地の遺跡に残された「○」という記号が示すものは、共通して天に在るものを指しそれが「ある特別な力」を持っていると信じられて来たからである。
*シュメールは、古代文明の中でも、最も早く宗教体系を法典として成立させ、神殿を中心とした都市型国家を形成していたと考えられている。その中でハンドドラムは、その他の楽器と同様に、祭具として神殿に仕える神官によって礼拝のために用いられた。祭儀は2つのグループ、ガラとナルとに分けられ、それぞれのグループはさらに3つの階層に分かれていた。また楔形文字によるテキストが用いられ、ヘブライ聖歌のように対になった韻詩を歌っていたことも明らかになっている。またある一方では、祝宴・凱旋式、葬儀などの儀式も行われていた。-参考文献- The New Encyclopaedia Britannica
こうした考古学的資料に基づいて考えられることは、ハンドドラムの起源が宗教の成立と密接な関係があるという点、そしてもうひとつは、その祭儀を行う祭司たちの出現と共に歴史が始まったという点の2つである。
では一体どのようにして、シュメールにハンドドラムが生まれたのだろうか?
この単純な問いに対してさえ、ビブロスの扉は重く、古代オリエントの歴史はあまりに深い、そこに振動する文明を探り当て、過去に何があったのか知ろうというのである。可能な限り原点に帰り、主観や虚構を排し、客観性を第一に、推論しなければならないことは当然である。がしかし、もし仮に確固たる唯一の証拠が、発掘者の手による捏造であった場合や、それらが実際には実在せず、誤って記録されただけのものだったとしたら、その時は虚構や主観よる推論を否めない、その点はどうかご了承いただきたい。
無は天地の始に名づけ 有は万物の母に名づく [注*]
今から約三百万年前の鮮新生(第三紀最新世)中期、アラビアプレートでの地殻変動は、古代オリエントに3つの大きな変革をもたらした。アラビアとヨーロッパがぶつかり合うプレートの圧縮によって、陸地は上方へと押し上げられ、ザグロス(イランの山脈)を現在の高さへと持ち上げた。アラビア半島は南西と北東が捩れるように歪曲し、それによってアラビア湾が出現し、東部州では豊かな油田を形成する地質と構造ができあがった。またこの時期に起きた気象の変化は、温暖で湿潤な気候をこの半島に定着させ300万年前から100年万年前までの200万年間に渡って続いた。膨大な降雨量によって、紅海側から東へ広がる台地のすべては、巨大な河川の水で浸食され、トワイグ崖地を切り崩しながら、アラビア半島の東部と北東部に空白地帯と呼ばれる広大な原野と3つの河を形成した。
「侵食によって平らに広がった砂利の空白地帯には、石器の材料となる石や岩盤が存在しなかった」
この地域へ最初に現れたのは、原人やネアンデルタール人であった。彼らは石器による採取・狩猟生活を営んでいたが、自らの手で道具(石器)を作ることはなかった。なぜなら石器作りには、原石とそれを打ち割るための石ハンマーの採取とその作業をするための岩盤(石切場)が必要となるが、そうした環境が手に入らなったためと考えられている。このため彼らが利用した道具は、玄武岩・珪石・燧石(火打ち石)などの河川浸食によって丸くなった自然石であった。こうして 3万年前にネアンデルタール人がこの一帯から姿を消した後、湿潤温暖な気候が1万8千年の間続き、空白地帯全体を大きく変えていった。多くの沼や淡水湖が出現し、3万5千年前から現代人(ホモサピエンス)が現れた。豊富な水源は、森林や草原を育み、水牛やカモシカや山羊等の草食動物・鳥類の群れが集まった。川には河馬が生息し、象が歩く姿も見られた。
最後の氷河期 1万7千年前頃、気候の変動によって空白地帯の水源は枯渇していった。緑の点在していたサバンナ草原も枯れ、剥き出しとなった砂層は風で削られ、広大な砂沙漠へと変貌していった。生存可能な環境は僅かなオアシスに限られ、狩猟生活を営んでいた人間は獲物を求めて、この地を去って行った。
その後9000年前から6000年前の間、アラビア半島の南半分は、気候の変化によって、再び温暖湿潤時代を迎え、アラビア半島東部では断続的な湿潤気候が続いた。定期的なモンスーンは、空白地帯全体に降雨をもたらし、砂の大地は、再び緑に被われた。湖は水を蓄え、豊かな自然と野生動物は、生存するための最適な環境を取り戻した。この頃から人間は、磨製石器や土器などを用いた新しい生活様式をともなって現れ、農耕や牧畜を行いながら、ひとつの場所に定住するようになっていった。そこには、かつては見られなかった集団社会を営む部族集落が生まれ、エジプト・三日月地帯・トルコ・イラク・ザグロス(イラン) および空白地帯周辺の地域にもナジラン・カマシーン・スライイル・アフラジ・ヤブリンなどでコミュニティが存在した。
こうして完新世(沖積世第四紀後半)に、現在へ至る時代の始まりがあった。
メソポタミア・ウバイド期(前4300-3500年)には、作物栽培や畜産が浸透し、生産物の備蓄、交易、集落および階層制度へ発展した。その後、潅漑農耕が確立すると、都市の基盤となるコミュニティーが形成されウルク期(前3500-3100年)後期には、集落群が増大し都市が出現した。農作物を効率良く栽培・収穫するために暦法が作られ、文字の記述法が発達し、各コミュニティを合理的に管理するために文書や印章が用いられた。宗教ネットーワークで結ばれた各都市は、飛躍的な生産力の向上を遂げ、農業や土木事業に限らず、他の産業や宗教も進展させた。また人口の増加は、都市整備や農地の拡大へ向かって新たな需要を産み出し、測量や設計、*1)運搬、道具作りなどに階級制度が設けられ、次第に組織化していった。また各都市を結んでいた宗教ネットワークは、*2)運河の建設など大規模な事業計画を行うために利用され都市は等級によって区分された。ここに生産階層と非生産階層の二部構造を持つ中央集権体制が生まれ
初期王朝(前2800-2700年)期 ウルに巨大な神殿都市が誕生した。
*1)紀元前3500年頃 人類の偉大な知恵の一つ車輪が発明された。またタイヤと見られる革 を周囲に巻いていた痕跡もあった。その後、車輪はユーラシア大陸の各地に広まっていった 紀元前2000年頃には、スポークを持った車輪も現れた。
*2)ウルク期には、豊富な水を利用した潅漑農耕が営まれていたが、気候に変化が起こり 水路の数が減少した。そこで乾燥した土地に、水を引く人工的な潅漑用水路を建設する 必要性が生じた。大規模な運河計画事業は、集落数を減少させ都市へ人口を集中させた その結果、新たに組織化された高度な中央集権型社会システムが出現した。
□ 古代の音楽と宇宙観について [戻る]
『シュメール人たちは音楽・数学・芸術・科学・宗教を詩的想像の中へ融合させ、ひとつの文明を築いた。』
/Ernest G. McClain
紀元前3000年頃 シュメール人たちは、楔形文字と同時に元素を60とする数理体系を考案し これらを神殿のモジュールとしてその構造に記録した。彼らの音響工学理論は、数値と神の 機能的側面を対応させ、倍数音から構成される音階定義比率を符号化し、その関数から割り 当てられた値によって、宇宙のための広汎な音調的等差数列モデルを実現するというもので これが神殿祭儀の最初の始まりであると考えられている。
この遠近法的な比喩表現の中では
『物理的な世界は相似象によって知覚され、神々は自然の力だけではなく 超自然的な力と内面的な力や数値による直観的認識も与えてくれるのである。』
こうした楔形数式記述法は、バビロニアが政治的支配力を強めた紀元前2000年頃に数式計算 技術として発展していった。記述法には、幾つかの記号が用いられ、視覚によって容易に理解 されるいくつかの記号パターンの配列を使って組み立てられ、浮動少数点以下は、暗算を使って 行われていたとされる。さらに、この時期メソポタミアにおいて神話は具体的な形式を持ち、例えば 偉大な神の活動記録は、*)「成型煉瓦」上に楔形文字で記述された乗算表を音列に置換すれば 文書として読むこともできた。
また古代ギリシア時代には、一見すれば、数字の羅列と見られる古文書の解読が盛んに行われ こうした比喩の中に埋め込まれた 2000年紀のシュメール語/バビロニア語はギリシア人たちの手 によってすべての有理数的概念が抽出された。さらにシュメール起源の文書資料、また数秘学や 神学(楽理的遠近法の研究を必要とする学問)なども、その後は各地へ広まって行き、インド・中国 バビロニア・ギリシア・イスラエルそしてヨーロッパの宗教的神話の中にも取り入れられた。
古代文明における音楽理論の発明は、最も偉大な学問的到達点の1つである。
簡単に結論から言えば、音響工学としての音楽理論は間隔の定義にある。つまり整数比率による 音程の幅や数値の捉え方、または伝統的な帰納法で知られる紀元前6世紀のピタゴラスの定理と 共に始まったギリシア旋法の理論体系は、今日私たちが直接知ることのできる唯一の古代音楽である。
さてメソポタミア文明において、最も驚かされることは何かと言えば、私たちが各カテゴリごとに分け ているものをすべて融合させている点にある。音楽・数学・芸術・科学・宗教・詩文学的イメージを 総合しつつ、ひとつの表現形態へ融合させたものは、世界でもあまり例がない。最もこれに近い表現を していると思われるものに、紀元前1500年頃に書かれ文学的作品としても有名な*)ヴェーダ聖典がある。 この中では「宇宙創生の謎」について、いくつかの数理体系に関する記述もみられる。 しかしこれらは各々の聖典が独立したものとして説かれすべてが統合されているとは言い難い
*)ヴェーダ聖典(VisvaMitra:ミトラの教義体系のことを指す)紀元前1700〜1500頃 四吠陀(4Veda):リグ(Rig)・サマ(Sama)・ヤジュル(Yajur)・アザルヴァ(Atharva) 陀羅尼(Bhadrani):五明(声明・巧明・医明・因明・内明) これらは元来ひとつであったとされる。
この時代、メソポタミアとギリシャに起こった音楽は、古代インド・エジプト・中国でも同様に重要な文化的 位置を占めていたとされる。そして、これらの文化に共通する点は、類似した神話のイマジナリ的な文書 構造と、それらのキーワードが同じ数値で強調されているということが挙げられる。尤も、音の起源に至る 経路には、初期段階で、必ずこうした共通点が見つかっている。その主だったものに単位とその表記法が 存在する。そしてこの単位には、一定の値が「形」と「大きさ」として定義されている。
言い換えれば、これらは『空の箱』のようなものであり、その中身は状況によって変化するものと考えられる。 例えば、音を入れると言語となり、数値を入れると暦や建築の測量基準となり、麦を入れればと計量や土器 など様々な道具や構造物を産み出す概念へと変身する。
このような『空の集合』を私たちはブール代数と呼び、電算機システムなどに応用している。 またこうして定義された単位値は、加算と乗算の原則(等比)に従って等間隔に並べていくと そこにある種のリズム(韻律)が自然に生まれのである。以上のことから推論できることは
『音的空間の構築において、間隔の定義はとても重要だということである。』
□ 自然認識の原理の視点 [戻る]
『生命はそのリズム表現を維持し、そしてその感受性を維持している 生命とはそのようなリズムであり、リズムあるところに生命があり 自然に生まれるべき意味において、リズムは生命そのものである。』Eric Alfred Whitehead.
*私たちは、この広大な無限の宇宙を知ろうとしたとき どのような方法を考えるだろうか
古代エジプト人たちは、満天の星空の中にひと際輝く星々を指さし
それを神として讃え、天の銀河を「空のナイル」と呼び
ナイル川に沿って、比類なき高度な文明を築いていった。
一般的には、河川の氾濫によってもたらされる肥沃な土砂が
農作物を栽培するのに適していたからだと考えられている。
− 神は自身をかたどって人を創造された − 創世記1.27
しかし、もし「世界は相似によって創られた神々の写しである。」
という考えを、古代エジプト人たちが持っていたとしたら
ナイルとピラミッドは神々の住む世界の写し
「天の銀河」は「地上の銀河」と言えないだろうか…
さて現代の私たちは、実際の「宇宙」を考える場合「空間」という言葉を 便宜的に用いて「宇宙」=「空間」として具体的な形を理解しようとする なぜなら私たちにとって「宇宙」というものは、多くは未知の領域であり あまりに抽象的で漠然とした広がりにしか感じられないからである。
そこで単に「宇宙」とするよりも「宇宙空間」と具体的な思考の方向性を 限定した方が、知り得る方法や手段にしても、過去の記録や整理にしても あらゆる角度からの検証が可能となり、認識も容易になるものである。
そして便宜上、日常私たちが「宇宙」=「宇宙空間」と呼んでいるものは シュメール人にとって「神殿のモジュール(基準・構成単位)」となった 「神の関数」と同義語であり、これから理解しようとしている数理体系と リファレンスにおいて同意語であると解釈されるものである。
従ってこの「宇宙」=「空間」という語を、言語学的に解析することから シュメール人たちの記した音調的な等差数列あるいは等比数列と呼ばれる 「宇宙観」とは何を指すものであるのかについて考えてみたい
…
彼等は「宇宙」を構成する諸要素を、その遠近法的手法をもって抽出表現
し「この物理世界に影響を与えている力」を「粘土板」に記した。
この「目に見えない影響」は楔形文字の出現と共に体系化され、基本原理
として農業・産業・工業あるいは生活や社会構造から神殿祭儀に至るまで
の一切を産み出して来たと考えられる。
…
まず全体を通して、基本となる言語上の解釈に言語学的遠近法という造語 を想定しなければならないのだが、これは現代私たちの使うことのできる 言語の中には存在しないものと指摘しておきたい。それを強いて言うなら 「現代ヘブライ語はかろうじてその面影を残している」と言える。
□ 言語学的遠近法 [戻る]
楔形文字をある一定の法則によって解釈し、概念化する方法論の意 ここでは現代ヘブライ語を参考例として以下の置換法を挙げておきたい これはシュメール語を同起源に持つ、アッシリア語(アッカド語)古ヘブライ語 に共通する解釈法でもある。またこれらの研究の結果、楔形文字は解読法に よって様々な情報を抽出できるということも判明した。
*数字置換法 ヘブライ語のアルファベットは、文字と同時に、数字としての機能も持っている。 一般的に用いられる数字置換法は、構成文字を数字として解釈し、それと同数値を 持つ、他の単語との間の意味や関係性を解釈するトーラ(聖書)文法として知られ ヘブライ語特有の読解法にも使われている。
* アレフ 1 * ベート 2 * ギメル 3 * ダレド 4 * ヘー 5 * ヴァウ 6 * ザイン 7 * ヘット 8 * テット 9 * ヨッド 10 * カフ 20 * ラメド 30 * メム 40 * ヌン 50 * サメク 60 * アイン 70 * ペー 80 * ツァディ 90 * クォフ 100 * レシュ 200 * シン 300 * タウ 400
もし多少でもヘブライ語の知識があれば、決して理解しにくいものではないと思えるが、その方法では、あまりにも時間がかかり過ぎてしまうため、この書簡で扱えるものではない。仮にその手段を取ったとしても、音楽の解釈をする際には、別の解釈法を使わなければならなくなる。それは彼等にとっての「宇宙」が、私たちの知り得ているものとは違うという意味ではなく、私たちの知る「宇宙」が「その遠近法的手法のひとつ」に拠って考えられているという意味である。そこに存在している言語上のある種の歪みは、この文明を難解なものにしてしまう原因となっている。
これを理解可能なものへ修正するには、「宇宙」=「空間」というものがどういう「性質と機能」を持つものなのかを知る必要もある。しかしここには、さらに厄介な数学的思考と概念が存在し、それを私たちが可視的地平の中で捉えるようとするには、言語学的な解釈に従って「空間」という語を構造化することから始めなければならない。
○ 宇宙を見つめるための「空間定義」について
私たちは「宇宙」というものを言語によって表現しようとするとき、それをどのように示すだろうか…例えば
・ある時…爆発によって突然出現した。 ・When in the height heaven was not named
表現のまったく違うこの2つは、実は同じ事柄を示している。そこで考えなければならないのは、まず言語とはどういうものか?そして何をもって言語としているのかということなのである。一般的に言語は、音声言語と記述言語に大別されるが、この場合はその両方を含めたものとして解釈されたい。
*「空間」を言語学的に3つの階層構造に分けて考えると 1.Realistc (説明・解説) 2.Imaginal (引用・イメージ) 3.Narrative (直接話法・物語) *1のRealistc(説明・解説)は、数学的思考や概念と考えられる つまり「座標」や「空間座標」という意味の空間定義のことである。 一般に数学上で「空間」は座標に存在し次の3つがある ・距離空間 :「形」を捉える空間 ・ベクトル空間:「運動」を捉える空間 ・位相空間 :距離概念が存在しない空間 *2のImaginal(引用・イメージ)は詩であったり 実際に目で見たりする場合もあるが、直接的に言い表わさずに 想起や連想で示された心象的「空間」を指す。 *3のNarrative(直接話法・物語)は神話や伝説あるいはシナリオ のように実際に話された言葉で表現される比喩的「空間」と言う。 *これらには Reference(参照・関連) 例えば生活空間、居住空間、言語空間など類似する事柄を含むもの さらにMeaning(意味)が加わって 「空間」というひとつの語を構成しているのである。
これらすべてが「空間」を捉える私たちの言語学的手法なのである。さてこうした理解が進めば、シューメール人たちの用いた数理体系は[ Realistc 空間 ]の言語領域から解釈することができる。ただしこれは、あくまで混乱を避けるために、第一義的な意味合いだけを抽出したものに過ぎない。大きく異なる点は、私たちが「空間」を表わす場合は 例えば、上述の1・2・3は全く違う表現になる。
以上のことから簡単に要点をまとめると、
*「シュメール人たちの記述表現は、すべて同じものとなる。」 少し大雑把な言い方をすれば、一枚の粘土板から音楽・建物・歴史・暦の計算 すべてが同時にできるということである。注意したい点は、今の段階では数理 体系を数学として捉えるのではなく、数学的思考概念を使って「知る」ことが できる「宇宙空間」としなければならない点である。
*「私たちが 宇宙 を認識するためには 空間=座標 が必要となる。」 これを簡単に言えば、平面上に立体を表すには単純に 縦x横x奥行を線で表し 私たちが存在している物理的世界(3次元空間)に現す時は、直交座標軸を使い 基準点から3方向(縦x横x奥)への移動距離を計算し決定する。
つまり、私たちは「宇宙」を「空間座標」という意味で認識している。これは「ニュートンの相対性理論」と呼ばれる。今いる部屋から、建物から街や国、さらに地球や月…銀河へ至るもの。そうした「空間」に含まれる諸要素は、すべて自分自身を起点として、三方向へ広がる運動と距離を含む事象を示すものである。
これらの事象を観測や計測をするためには基準となる単位が必要となる。
*「私たちの住んでいる物理的世界(3次元空間)を根本的に存在させ すべてを可視可能な実体とさせているものは1秒なのである。」
1sec(秒=1/60分=1/86400日 (国際単位の定義) ・ 1秒 = 1/60分 ・ 1分 = 60秒 ・ 1度(1時間)= 60分 = 3600秒
距離や長さもこの1秒を基準にして1メートルという単位が決められる。
この単位値が変われば、長さも変わり、すべても変わるということになる
メートル法
2億9979万2458分の1秒間に
真空中を光が進む距離として定義されている。
*「基準単位と空間座標」は「時間と空間」の数学的思考概念である。
この基準単位を最初に具現化し、視覚認識を可能にさせたのが「楔形文字 と粘土板」の記述法であり、それを考案したのはシュメール人たちとされる またその頃既に、対数計算や論理計算を行っていたことも報告されている。
私たちが普段、何気なく使っている時計や方位角度、分割に使用する六十進法も シュメールの数理体系を基にして作られているが…しかしそれはまだ「一部分」 なのである。古代において彼等が知り得ていた「宇宙」は私たちの想像を超えて 砂漠の遥か向こうへ蜃気楼となって静かに横たわっている。
つまり
『シュメール人たちが「数値」として記述言語に現したものは
私たちにとって「宇宙」として認識しているそのものである。』
こう考えると意外なことに思えるが、私たちは「宇宙」を17世紀の宇宙観で見ているのである。
□ 天の等分点と音の配列 [戻る]
「日は太古からの節のままに、同胞の星の群れと高らかに歌を競い そして、その運命の道を轟く足音で進んでいる」 ゲーテ/ファウスト 手塚富雄訳
「認識は回想である」と言ったプラトンは、その代表的著作『PUBLIC』の中で、洞窟の喩え ライオン種族の喩え、エルの物語など、ミトラ教の秘儀に由来する重要な記述を残している またシュメールの和声理論についても、一旦モデル化された宇宙の音階構造は、数を数える ようなもので、誰でも「歌い・奏でる」ことができるものであると述べている。
*神格数や神殿は一体何を意味するものなのだろうか?
”Anu/An(アヌ・アン)神格数60 は"Large1=主神"と記され最も文明初期の神殿の 基準とされた。また60/60=1という単位は、関数に似た表記が使われ、現代でいう ところの「測量における基準値」に相当する概念と解釈される。”
現代の「測量の基準」は、地球上の位置を経度・緯度で表わすための基準を測地基準系として いる。これらは、地球の形に最も近い回転楕円体で定義され、天体を利用したVLBI観測 (超長基線電波干渉法)や人工衛星観測に基づいて設定され、共通に使える基準系を世界測地 系と呼び、代表的なものにITRF系(多国で採用)・WGS系(GPSや船舶)・PZ系がある。
その中心は、地球の重心と一致するように設定され、経度・緯度は、この回転楕円体(地球楕 円体)の上で表示される。詳細は以下のURLを参照 http://itrf.ensg.ign.fr/ITRF_solutions/2000/results/ITRF2000_VLBI.SSC.txt
当然、初期シュメール(ウバイド期)の頃に、このような回転楕円体の定義があったとは考えに くいので、アッカド語とバビロニア語によるシュメール神話をもとに基準系を考えてみたい
ここで参考となるタブレットの原文(アッカド語からの訳)は以下をもとにしている。The Sumerian epics and myths 1. an ki-ta ba-ra-bad-du-a-ba 2. ki an-ta ba-da-sur-ra-a-ba 3. mu-nam-lu'-lu6 ba-gar-ra-a-ba 4. u4 an-ni an ba-an-ir10-a-ba 5. en-li'l-li ki ba-an-ir10-a-ba 6. eres(-ki-gal-la kur-ra sag-rig7-bi-s(e` im-ma-ab-rig7-a-ba en-e ni'g-du7-e pa na-an-ga-a`m-mi-in-e` en-nam-tar-ra-na-s(u-nu-bal-e-de` en-li'l-numun-kalam-ma-ki-ta-e11-de` an ki-ta bad-du-de` sag na-an-ga-a`m-ma-an-si` ki an-ta bad-du-de` sag na-an-ga-a`m-ma-an-si` en-li'l-li i`-du dnin-li'l in-us( nu-nam-nir i`-du ki-sikil mu-un- . . . en-li'l-li lu'-ka'-gal-ra gu` mu-na-de'-e lu'-ka'-gal lu'-gis(si-gar-ra lu'-gis(s(u-di-es( lu'-gis(si-gar-kug-ga nin-zu-dnin-li'l-li i-im-du u4-da e'n-mu mu-ra-tar-ra za-e ki-mu nam-mu-ni-in-pa`d-de' Chiera, Edward. Sumerian epics and myths (Oriental Institute publications XV; Chicago, 1934) *表記上 a-a-a-a は a4 と略されます。
”この世の始めに、天と地が生まれ…中略…4つの風を与えた”
この比喩から導き出される空間概念は、天地つまり上下の2層に空間を分けることから始まり、 やがて4方向即ち、前後左右に運動を見分ける概念が生まれたということに帰結する。 また旧約聖書創世記第一章14節「天地創造」には以下の記述も見られる。
”天の大空に光る物があって、昼と夜を分け、季節の記し、日や年の記しとなれ …中略…そして夕べがあり、朝があった。第四の日である”
こうして単純に、4方向に上下が加わって6方向を表す基礎的な空間定義が生まれ それらをプラトンの言葉を借りれば「数を数えるようなもの」として数値に置き換えて行ったと考えられ、このように最初の観測点を、自分自身として論理的に捉えることを宇宙の始まりとすれば 初期メソポタミアの測量基準系は、現代のような回転楕円体ではなく、おそらくは六面体(立法体)であったのだろうと推測される。
また一旦モデル化された宇宙(世界)の構造は、誰でも容易に理解されるものだとしたら シュメール人の説いた最初の宇宙は、サイコロのような形だったのかもしれない
次に空間という概念に起点となる基準を設ければ、天体の位置を記し、軌道を計算し暦を作ること ができる。暦法ができれば、「経度・緯度・高さ」を知ることができ、測量や角度を計算し、巨大 な建造物の設計が可能となる。この起点には春分点が使われていたと考えられている。 そういう意味で言えば、主神殿は天体の周期から暦や緯度・経度を計算し、天球を測定するための 巨大な計算機とも言えるのである。春分点は、現在でも天球上の位置を決める*1)赤道座標の基準となっている。
*1)赤道座標: 天体の位置を表す座標で天球に固定されたものを赤道座標と呼ぶ 基準となる原点を春分点(春分の日に太陽が見える位置)として 東周り方向を赤経、南北方向を赤緯で表し、経度 0°を子午線と呼ぶ 15度を1時、1度は4分、1時の1/60が1分、1分の1/60が1秒である24時間法で測る。 また緯度にあたる赤緯は、天の北極側に0°〜+90° 天の南極側に0°〜-90°で測る 赤経や時角が24時間法で測られることからわかるように、これらは時刻・時間と密接 に結びついている。また*2)黄道と赤道の二交点のうち、黄道が南から北へ交わる方を 春分点と呼び、これを起点(0度)として黄道を360度に分けたものが黄経(こうけい) もう一つの交点は秋分点と呼ばれ、黄経180度に相当する。 *2)黄道とは、天球上における太陽の見かけの通り道(大円)のこと。
しかし問題は、物理的な空間の定義ではなく、宇宙の構造モデルから音調空間がどのように して創り出されて来たのかということを究明することにあるので、ここで一旦、別の視点から 古代の音楽を考えてみたい
□ 音調スケールを演算によって図形で示すとすれば、無限の宇宙は循環する円である。 [戻る]
「ヤバルは家畜を飼い天幕に住む者の先祖となった その弟はユバルといい、竪琴や笛を奏でる者すべての先祖となった…」 創世記4:19
中国では、紀元前5000年頃のものと思われる音階を得るための穴があけられた大型鳥の足骨が見つ かった。二本組みのフルートのようなこの楽器は埋葬儀式用と考えられ、音階を作り出すために何回も試行錯誤を重ねながら調整されていったものと考えられ、笛の音階を決める音穴の比率を得るために、長さを調節していた痕跡も見られる。ところで「笛」という楽器は、奏でる本人には聞こえにくい、また音色というものも共鳴する媒質、つまり壁の材質やホールの大きさによって響き方が変わる。これらの事柄から、楽器の演奏と制作は、別の人間が行っていたという説が有力なのである。
そこには当然、どこかの誰かが"偶然発見したのでは?"という疑惑も持ち上がる。補足させてもらうとすれば次のようなことが言える。一般に世界中どの文化にもハープは知られた存在であるが、特にエジプトとメソポタミアはハープと関わりの深い歴史を持っている。楽器というものは、その関係が親密であればあるほど、社会的状況がその形態に現れてくるものである。また材料の流通はその文化の経済的水準を知る上で貴重な考古学的資料でもある。
例えば、エジプト初期王朝時代のハープ弦はとても高価なもので入手するためには、遥か遠くザグロス(ペルシア)まで旅をしなければならなかった。また時代や地域によっても、弦の長さや弦数に違いがあることから頻繁に改良されて来たこともわかる。加えて楽器の制作・調整を行う職工たちは、経済的支援を受けながら、専門的研究によって弦の長さと意図的な音程の相関関係を明らかにしたとされる。
これらの意味するところは、楽器は明確な目的を持って創り出されたものであり、意図的に改良されて来た試行錯誤の結果ということであって、それが旧石器時代のハンドアックスであろうと、何かの偶然から派生して来るということは有り得ない、そこにはその時代や文化を支える社会的思想や経済基盤があり、それらが産み出そうとする根拠となっているのである。
このように考えた場合、明らかに楽器と呼べるものが出土するのは、南西アジアではエジプト初期王朝の最初期、あるいはギリシア人たちが地中海に進出した頃で、早くとも紀元前 4000年以降なのである。
倍音原理によるシュメール式音源定理法 [戻る]
ピタゴラスと言えば、直角三角形の定理で有名な古代ギリシア人として思い出す方も多いと思うが,その数学は馴染みのないのものである。しかし音楽史となると話しは別でこれ程まで重要な人物は他に類を見ないのである。ここではピタゴラスに従って、基準数60からシュメール音階の解釈を試みることにする。
音の概念的構築は、プラトンの「ティマイオス」における一般的音声原理にも書かれている それによれば、音程定位はすべて60を基準とした主要数 2・3・5 から派生し等価倍数の 3,6,12,24 は48と同じ音程として定義されている。
一見すれば数学と音楽は、物的対象と感覚与件のように相反する世界に思えるかもしれない ところが、私たちが自然に音階と感じる平均律(純正調の配列)はピタゴラス平均律とされ これを実際の弦を分割して得られる音として、弦長で示すと以下のようになる。
C=1 D=9/8 E=(9/8)* F=4/3 G=3/2 A=3/2(9/8) B=3/2(9/8)* C'=2
これらの倍音構造は反転する紋様のように対称的に表示させると 音階上のすべての音は原則的に神名数の比率から導き出すことができ その他の比率もそれらを乗算することによって得られることがわかる。
初期のシュメール数値は、粘土板上に押型の◎形で表され、その後、尖筆を使ってV形の三角と 縦線を組み合わせて表記されるようになった。数値の 2 から 9 まで はV形を繰り返し並べて 単位を表し、10 は90度横向き、60はラージ1と記された。
メソポタミアの数値表記(Last modified: 23 September 2003 Duncan J. Melville )
また V< = 3,600 のような省略と2〜3の特殊記号を使い、記録上、数列は暗唱単位化され 簡単に解読できるように作られた。実際、その数値アイディアは、記述用法の行程で具現化された 下記に示すスタンダードな分数対応表は、規定の一部分を取り出した通常数値とその逆数 (副要素 は2・3・5 に限定され)主要素の近似値を導き出すために、各組は対となっている。
*逆数 ある自然数 a に対して、a×b = 1 となるような数 b を a の逆数 といい 1/a や a-1 と表す。例えば、3 の逆数は 1/3 、2/3 の逆数は 3/2 である。
| 分数対応表 | ||
|---|---|---|
| * | 2 | 30 |
| * | 3 | 20 |
| * | 4 | 15 |
| * | 5 | 12 |
| * | 6 | 10 |
| * | 8 | 7.30 |
| * | 9 | 6.40 |
| Marduk | 10 | 6 |
| * | 12 | 5 |
| Ishtar | 15 | 4 |
| * | 16 | 3.45 |
| * | 18 | 3.20 |
| * | 20 | 3 |
| * | 24 | 2.30 |
| * | 25 | 2.24 |
| * | 27 | 2.13.20 |
| Sin | 30 | 2 |
| * | 32 | 1.52.30 |
| * | 36 | 1.40 |
| Ea-Enki | 40 | 1.30 |
| * | 45 | 1.20 |
| * | 48 | 1.15 |
| Bel-Enlil | 50 | 1.12 |
| * | 54 | 1.6.40 |
| Anu-An | 1 | 1 |
通常数値は60の上に分子として置かれ、逆数に置換される。 例えば、40/60=2/3の逆数は1,30と読み、分子60+30=90から 90/60=3/2を導き出す。
留意するべき60の重要な分数は (1/6・1/5・1/4・1/3・1/2・2/3・5/6) 各音程は 近代の平均律に匹敵する近似値を示している。
数値による音の定義
シュメール式定義数(計算法:tremendous) 10・12・15・20・30・40・50 は すべてAnu/An=60(主神殿)の分子となる。それらは神話的な関数記述によって「分数値と神名」のように短く表記される。
Enlil(エンリル)神格数50 (5/6) 山の神 50の神名を所有し、人間とっては特別な宮殿を意味する、紀元前2500頃は主神殿とされた。 Enlil(エンリル)は、基数60の中へ定義されている。 人間の基数は5と倍数音の1O 通常の 長音階 主要三和音の 4:5 そして 短音階 主要三和音の 5:6 Ea/Enki(エア・エンキ)神格数40 (2/3)・甘水の神 おそらくシュメールの中では最も多事な神格(deity)大地の組成の神 調和的音階を含み主要数3と定義している。 音程比率は五度 2:3 主三神(40・50・60)を象徴し オクターブ上で最も力強く形成される主要3和音(triad)の4:5:6 (ドdo・ミmi・ソsolの上行形 mi・do・laの下行形) オクターブを基盤として上行形の音程比率 4:5 長音階の主3和音と 下行形の音程比率 5:6 短音階の主3三和音の2種類が定義されている Sin(シン)神格数30 (1/2) 月神 基礎的なシュメール音楽体系は1:2(30:60)を基盤として確立した Shamash(シャマシュ)神格数20 (1/3) 太陽神・審判の神 Ishtar(イシュタル)神格数15 (1/4) 金星 epitome の 処女としての女性美・妻・すべての女主人 Nergal(ネルガル)神格数12 (1/5) 火星 地下世界の神 Bel/Marduk(ベル・マルドゥク)神格数10 (1/6) 木星 Ninurta (Saturn)土星はしばし Ninibと呼ばれた。紀元前約2000年頃 *聖書上のバール神は 元来、小神格であったが紀元前2000年頃 バビロニアの主神殿とされた
□ 古代の太鼓は踊りから始まった
ところで太鼓の起源ということであれば、日本にもその痕跡らしきものが存在する。その可能性を示唆する ものに日本書紀や古事記で知られる「アマノウズメの踊り」がある。 スサノウを恐れた天照大神(アマテラス)は天の岩戸に隠れてしまった。 この世は闇となり、困った天界の神々は、知恵の神「オモイカネ」に助けを求めた そこで「オモイカネ」は、鶏を集めて鳴かせ、天金山の鉱石を鍛えて鏡と「マガタマ」を作り 天香山からオスジカから肩の骨とハハカの木を取って来て占いをした サカキを根こそぎに抜いて、上の枝にマガタマを付け、八咫鏡(やたの鏡)を掛け 下には白布・青布を下げ、フトタマがこれを持ち、アマノコヤネは祝詞を唱えた アマノウズメは、笹の束を持ち、衣を下げ垂らし、胸元を露わにし「伏せた桶」を踏み鳴らしながら踊った 天照大神がこの様子を見ようと覗いたところ、八咫鏡(やたの鏡)の光に驚き 手力男(タジカラオ)がその怪力で岩戸を開けたので光が差した ここに登場する「伏せた桶」は一体何を指して「桶」と言っているのだろうか 弓の歴史はさらに古い。旧石器時代末期には中近東アジア地方の民族により 使用されていたという記述もある。日本においても石器時代のものと思われるものや 弥生時代と推定される黒塗りの丸木弓の長弓が発見されている。また石器時代末の製作 といわれる銅鐸に狩猟の絵があり、これらも長弓で「握り」が下部に描かれている
古代の音楽と宗教について[戻る]
▽『UTA:うた』
古代日本における「うた」の始まりは、人間の本源的衝動が、言葉や声として表されたものである。それらはやがて変化・発展して一連の韻律を持った言葉となり、労働や祭礼など、集団生活の中で、神に対する祈りや感謝として、舞踊や楽器を伴い、節をつけて繰り返し詠われたと考えられる。これらの「うた」は上代歌謡と呼ばれ、総称して「記紀歌謡」という。その多くは、宮廷に集められたもの、各地に伝わっていた歌が、伝説・神話に結び付けられたもので、戦い・狩猟・恋愛・祭祀・酒宴・悲哀など古代の生活全般に渡る。
「古事記」に百十首「日本書紀」に約百三十首「風土記」「古語拾遺」「万葉集」「琴歌譜」「仏足石歌碑」などにも収められている。また対句・繰り返し・枕詞・序詞なども使われ、リズミカルな美しい調子を持ち、片歌・長歌・短歌のような形式の定型詩も見られ、後の和歌へと発展していったと考えられる。
▽ 【うたのリズム形式】
「記紀歌謡」の初期頃の歌体(音構成)は、6音・8音と音節句は不揃いのものが多く、その後しだいに、5音7音と一定のリズムを刻んで構成されるようになった。
片歌 :5・7・7 二手に分かれて唱和する歌謡形式 旋頭歌:5・7・7/5・7・7 片歌二首を重ねた形式 長歌 :5・7/5・7/5・7・・・7 片歌や旋頭歌に対しての長形式 短歌 :5・7/5・7/7 長歌の末歌が反歌として独立した形式*奈良の薬師寺に刻まれている「上代歌謡」は5・7・5・7・7・7と末句7音が繰り返され、仏足石歌体と呼ばれている。
▽古代の社会〜インカ
インカ文明(タワンチン・スウユ)の多くは農耕民族であった。その生活形態は、前インカ時代から引き継がれ来たアイユウという社会システムである。アイユウとは、絶対的な権力者である皇帝を頂点としたピラミッドであると同時に、共通の祖先を持つ民族の集まりを指し、一定の生活領域を共有していた。土地やそこに生息する動物・植物、それらはすべてアイユウの共有の財産であり、誰もがその恩恵を受けることができた。インカはアイユウの土地を3つに分けて、それぞれを、皇帝・太陽神・人民に与えた。生産物は人民から定期的にミタ(租税)として集められ、必需物資も社会保障もすべてはそうした余剰生産物から各地域へ再分配された。彼らはマユカ(代表)を選挙し、アマンツアと呼ばれる長老会議(諮問機関)の役員を選ぶことができた。農作業は暦を使って規則正しく行われ、入植期は「雨の儀式」。そして夏至にはトウモロコシ酒を作り、太陽神のために盛大な祭礼が行われた。
中東のリズム様式について[戻る]
中東の音楽体系ではリズムのことをIqa(イカア)と呼ぶ
これらは低音と高音の対比を使ってリズムを表現するための奏法技術を含んでいる
中東の打楽器
打楽器を、対比表現によって分類するとおよそ以下の3タイプに分けられる
1. 高・低音の対比表現を持つもの
「Tabla」 (タブラ)または「Darabuka」 (ダルブカ) 長胴の筒を持つ片面太鼓
2. 倍音の対比表現を持つもの
「Daf」(ダフ)枠太鼓・「Tar」(タール)枠太鼓・「Bendir」(ベンディール)響線(スネア)を張った片面枠太鼓
3. 高・低2種類の太鼓で両方の表現を持つもの
「Naqqara」 (ナッカラー)素焼き製の片面太鼓・「Kudum」 (クュドュム)両面太鼓・「Tabil」 (タビル、タブル) 両面太鼓
音の分類と拍子
アラビア様式の音楽では奏法を含む打音の違いを次のように分類する。
| 表記 | 読み | 種別 | 打法 |
|---|---|---|---|
| D | dum(ドゥン) | 低音 | 中央からやや外よりを叩く |
| C | ca;(カ) | 高音 | ヘッドの縁を叩く(左手) |
| Ta | taq(タク) | 高音 | ヘッドの縁を叩く(左手) |
| Ti | tik(ティク) | 高音 | ヘッドの縁を叩く(右手) |
| Te | t;e(テ) | 高音 | ヘッドの縁を叩く(右手) |
| Ts | i:s(イス) | 消音・休符 | 中央部分を押さえる |
| Es | e:s(エス) | 消音・休符 | 中央部分を押さえる |
iqaは、安定と不安定部分から成り立ち、次の3つの最小単位(分子拍)から構成される。 1.イス(ishte:n) :任意の1種類の音で示される拍 0(拍)無音 1(拍)休音 2.エナ(Shena;n) :任意の2種類の音から構成される拍 3.サラーサ(shalash):任意の3種類の音から構成される拍
リズムスクリプト
中東におけるリズムは、以上の3種類の分子拍を組み合わせてひとつのグループ(リズムループ)
を構成し
これらiqaの配列によって構成された拍子は、前項で解説した4種類の音を組み合わせて表現する
代表的なリズムは、およそ13種類ほどあり、その多くは中東舞踊(ベリーダンス)の伴奏等に使われる
これらは特殊な例を除いて、譜面上に書かれることは少なく、次項に記すリズム譜もその多くは口頭で
伝承されているものである。インド・アラブ・ペルシア音楽これら共通の歴史的起源を持つ音楽様式は
即興性が最も重要な課題であって古典音楽・伝統舞踊以外は、形式的(西洋音楽的)な楽曲はない
またハンドドラムには、明確な高・低音の区別がないので、これらを発音の違いで表現しなければならない
*以下に示すものは、本来タブラ(ダルブカ)で叩くリズムをハンドドラム用に書き直したものです
*Dドゥン・Eエス・Tタ・Cカ・_休符 …以下記譜を読み易くするために略語を使いました
○MAQSOOM マクスーム/tar 最もアラブを象徴しているイカアと言えば、このマクスームをおいて他には考えられないくらい よく知られたリズムで踊りのソロによく使われる。古典リズムの展開形とも呼べるiqの組み合わ せから、様々なイデオム(リズムの慣用的表現)を挿入しながら、即興的に演奏される。 基本的なリズムは下記に示すような比較的シンプルな形を解説する またサイディやアヨッブと組み合わせ、ひとつの楽曲を構成する際の軸になるリズム形式でもある *2拍目のesに特徴があり、実際に演奏すると全く違うリズムに聞こえる。 注意する点は3拍目のT音4拍目のD音の位置がずれないように正確に打つこと 基本形 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ T _ E _ T _ D _ _ _ T _ _ _ sls (es) is ena ena 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ T _ _ _ T _ D _ _ _ T _ _ _ is ena is ena ena 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ _ E _ _ D T _ E T _ T _ sls (es) is ena ena
○MASMUDI マスムーディ 民謡・舞踊などで良く使われる古典的なリズム、中東音楽に触れた者が最初に覚えるリズムでもある 次に示すiqはベースラインを強調するために使うことが多い 1と2の違いは舞踊と歌謡に多いという意味であって リズムの形を限定するものではないので注意してもらいたい 1.舞踊系 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ D _ _ _ T _ D _ _ _ T _ E _ is sls is sls en es 2.歌謡系 1 2 3 4 5 6 7 8 _ _ D _ _ _ T _ D _ _ _ T _ E _ sls is sls en es 拍の数え方に特徴があるので留意してもらいたい 最初の一拍目はesとして数え2拍目以降から (es)+3+2+2 と打つ 2拍目のslsにアクセントがくるように叩く このように同じDが続くリズムは後のiqが強調される。 *このリズムを使った曲に「バフランビーク」というとても有名な曲がある エジプト人なら誰でも踊りだすというくらい知られたもので マスムーディ・キビール(:大きいという意味)が使われる 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 D _ _ _ D _ _ _ D _ T _ _ _ T _ D _ D _ E _ T _ D _ E _ T _ _ _
○SAUDI(KALIGI) サウディ/tar 地中海周辺地域の俗謡・歌謡に見られる8拍子、また海洋性の文化を持つ民族に共通してみられ もっとも広く知られた中東起源のリズムでもある。アフタービートという独特のグルーブ感を持ち 大航海時代に中南米に伝えられ、土着の民族文化と融合してボレーロリトミコ・ソン・チャチャ・ グァヒーラなど様々な形を生んだ。ブラジル/ミナス地方にはココという非常に良く似た形式のリズム が見られ、またスペイン・アンダルシア地方にはルンバフラメンコというリズムがある。 * 3+3+2 拍子 というiq の組み合わせからできている 1.8拍子系 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ _ _ C _ D _ _ _ C _ E _ C _ sls en sls en en en 2.16拍子系 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ _ D _ _ T _ _ _ D _ T _ _ _ sls sls en en en sls 3.2拍子系 1 2 3 4 D _ _ _ _ _ E _ _ _ _ _ T _ _ sls sls sls sls en
○RUMBA ルンバ/tar ルンバの起源についてはアフリカからキューバへ連れて来られた黒人の踊りのリズムが 元になったと云われている。おそらくは中東からの移民が伝えたリズムとインディオの 舞曲(オアハカ)が融合して「ソン」という形式のリズムが生まれ、やがてそれが都会 風に発展したものと考えられる。現在でもキューバには、多くのアラブ系移民が暮らし またクラシックなルンバはリュート(マンドーラ)やタブラ(ダルブカ)と言った中東系の 楽器もしばしば使われる。解説するリズムは一般に言われるルンバではなく、エジプト 舞踊(エジプシャンダンス)の4拍子系のリズムで中南米から帰国したモスリムが持ち帰 って広まったものとされている。 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ _ _ E _ _ _ T _ _ _ D _ D _ en en is es en
○SAIDI サイディ/tar ベリーダンス(中東の民族舞踊)で最も良く知られ、舞台では踊り手の登場や棒を使った踊り に使われる華やかな2拍子系の南米のサンバに良く似たリズム。北アフリカおよび南アラビ ア半島地域などに多い。地方色豊かな強いアクセントを持ち、実際の演奏は1拍を3連符で カウントして叩いている。 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ T _ _ _ D _ D _ _ _ T _ _ _ en is en en
○FARAHI ファラヒ/tar 祝いの席や祭りなど大勢で踊る時によく聞かれ、ファラヒ(農民踊り)というリズムで知られる 先に解説したサイディと良く似た雰囲気を持ち、華やかな2拍子系のアフロリズムと思われる 北アフリカからモロッコを経てジブラルタル海峡を渡り、スペイン・アンダルシア地方に伝わ りファルーカというリズムなったという説がある。 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ T _ D _ T _ D _ _ _ T _ _ _ en en en en
○AYUB アヨッブ/tar AYUB /アヨッブは地域によっていろいろなパターンがあり、一概にこれがアヨッブとは 言い切れない程、種類が多い。また演奏者によっては全く違うリズムを指す場合も少なくない 単独で演奏されることは少なく、サイディやマクスームと組で使われる。 1 2 3 4 D _ _ T D _ T _ en is en is en *D音の連続が繰り返される非常に珍しいタイプのアヨッブ 7拍目T音のenaが短くならないように注意すること 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ D _ _ _ D _ D _ _ _ T _ _ _ ena is en is en
○SHIFTI-TELI シフティテリ/tar 比較的賑やかで躍動感のする中東音楽の中で、唯一ゆったりとスローテンポで演奏されるリズム これまで解説してきたどのリズムとも違うタイプ、早いテンポの曲が続いた後など使われたり 途中から曲調がスローになる時など、臨時に挿入される。前半部分はslsとis 後半はenaとis とesで構成される。リズム全体を2小節でひとまとまりとして捉え8拍子のように打つ 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ T T T _ T _ _ _ E _ T _ T _ D _ _ _ D _ _ _ T _ _ _ E _ _ _ sls is en is es
○BALADI(Beledi) ベレディ/tar エジプト南西およびナイル川周辺を起源とするリズム(ベレディはエジプト調という意味) カイロを中心とした近代アラブ音楽とヌビア系民族のリズムが融合した独特の雰囲気を持つ *踊りの伴奏と器楽演奏の場合では、リズム形式が異なる 舞踊1 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ D _ C _ E _ D _ _ _ E _ _ _ en sls 舞踊2 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ D _ C _ E _ _ _ C _ T _ C _ en sls 器楽 1 2 3 4 5 6 7 8 D _ _ _ T _ _ _ D _ T _ _ _ T _ sls sls en sls en
○MALFOOF マルフーフ/tar 1 2 3 4 D _ C T _ C T C sls is
○SAMAI サマアイ/tar 最も古い起源を持つ10拍子のリズム 常にシンコペーションをしているような独特のグルーブを持ち、中東音楽の中でも特に 古典器楽曲に、このリズム形式が多く見られる。アラビア半島からインド・中央アジア 地中海周辺に至る広い地域で、古くから知られていたリズムでもある。ペルシア様式の 音楽では、しばし7拍子に変化したり、全く違うリズムを挿入することもある。 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 D _ _ _ _ _ E _ _ _ D _ D _ E _ C _ T _ sls en en sls[Back]
*---- 閑話休題 -----* アラビア語の母音はa・i・uの3つ *音にはそれぞれ派生の歴史や文化があり、tik(ティク)taq(タク)t;e(テ)ca;(カ)の違いは タブラ(ダルブカ)におけるアラブ様式とペルシア様式の違い、またTe(テ)Es(エス)は発音の違いに由来する 音の四大元素 *アラビアのリズムの中にはDum 土 Tik 水 Ca 火 Es 風 と定義する考え方がある また素焼きの胴は『土、水、風、火 より授かったものである…』と言う話は以下を出典としている。 *古代シュメール人の相反的対称 火・土・水・空(地・水・火・風)の四元素説が説かれる。 それぞれの元素は正多面体であり、その形状によって運動の性質や他の元素との親和性が決まる。 例えば、火は正四面体であり、最も軽く、鋭い。これに対して土は正八面体であり、運動が最も遅い。 このように自然の諸物は元素がまざりあうことによって形成されていると考えられた。
音楽の形〜16世紀ヨーロッパの舞曲[戻る]
いつの時代もどの民族にも、歌や踊りを愛する気持ちは共通し 内面性の表出から自然派生的に音は生まれ、合唱から舞踊そして器楽合奏へと発展していった。 こうした音楽作品はヨーロッパでは舞曲と呼ばれ、その歴史は16世紀半バロックに始まる。 この時代の音楽は、大別すると単独で奏される舞曲と一定の様式に従って、いくつかの舞曲を 組み合わせて組曲を構成するものとに分けられ、17世紀頃のドイツで大きく発展した。
基本的な構成は Allmande(アルマンド) - Courante(クーラント) - Sarabande(サラバンド) - Gigue(ジーグ) とされる
Allmandeの前にPrelude(プレリュード)を置いたり、Sarabanndeの前後にMenuet(メヌエット)やGavotte(ガボット)など対称的な舞曲を配置させ、様々な工夫がなされた。 こうした表現様式はSuite(スート:英・仏・独)Parita(パリータ:伊)と呼ばれ、一時代を築いたが 18世紀古典派の時代になると、新たに音楽形式が現われると、その後は廃れてしまった。
▽ヨーロッパの舞曲
・パヴァーヌ Pavane(仏) スペイン起源と考えられる2拍子系の舞曲 PAVO(孔雀)の威厳に満ちた動きを模したゆったりとした舞曲 J・ダウランド「涙のパヴァーヌ」は当時ヨーロッパ中に知られた名曲。 ・ガリヤルド Galliarde(仏) イタリアを起源とする3拍子の陽気な舞曲。パヴァーヌと対で用いられた。 ・アルマンド Allmande(英・仏・独・伊) Alman・Almanyeと呼ばれる16世紀ドイツの舞踊が様式化された2拍子系リズム アウフタクトで始まりアウフタクトで終わる典型的な舞曲 ・クーラント Courante(英・独・仏) 16世紀フランスで始まった舞曲。courir(仏:走り回る)が語源 3/2・6/4の複合拍子がよく使われる。イタリアのcorrente・corantoは3/8拍子で書かれた。 ・サラバンド Sarabande(英・仏・独)Sarabannda(伊)Zarabanda(スペイン) ペルシャ起源の舞踊から始まったとされる3拍子系の荘厳な舞曲 2拍目に特徴のあるリズム構造を持ち、第1拍目で始まり強拍で終わるのが通例 ・ブーレ Bourree(仏) 17世紀フランス アウフタクトで始まる2拍子系のリズム ・ガヴォット Gavotte(英・仏・独) Gavotta(伊) 17世紀フランスで親しまれた舞曲を起源とする軽快な2/2拍子のリズム ・ミュゼット Musette(英・仏・独) ミュゼット(バグ・パイプ)は17〜18世紀フランスで流行した音楽 持続低音上に素朴で牧歌的な旋律が展開する ・ジーグ Gigue(仏) Giga(伊) 16世紀イギリスで盛んだったJigが発展したもの フランス風は複合3拍子で、対位的書法で始まることが多い ・メヌエット Minuet(英) Menuet(仏) Menuett(独) Minuetto(伊) フランスの田舎風な舞曲を源とする舞踊曲 メヌエットの語源はフランス語のMenu(メニュ:短い)を意味すること からショートステップで踊られる舞曲であったとする説がある。 ルイ14世が宮廷の公式舞踊のレパートリーに加えたことがきっかけで 全ヨーロッパへ急速に広まった。当時、宮廷楽士だったリュリはこの舞曲 の発展に大いに貢献した。
他の舞曲は時代と共に衰退して行ったが、メヌエットだけは様式を変えながら、 古典派からロマン派の時代に至るまで多くの作曲家たちの手によって作られた。 初期のメヌエット |: 8 :| + |: 8 :| の2部形式が基本構造であったが、やがて Menuet1 - Menuet2 - Menuet1 の複合3部形式で書かれるようになった。特にMenuet2 は3声部で書くのが基本だったので、トリオ(Trio)と呼ばれた。ハイドン・モーツァルト・ベートーベン等はこのようなメヌエットを多く残した。さらにベートーベンは、このメヌエットの中間楽章にスケルツォを配置させ Scherzo - Trio - Scherzo の複合三部形式へと発展させ、その後のヨーロッパ音楽に大きな影響を与えた。
・レントラー Landler(独) ワルツの元になったとされる。回転しながら踊られる舞曲 オーストリア・バイエルン地方に生まれたゆったりとした3拍子が特徴 LandlerTanz(田舎風の踊り)またはLandel(地方名)が由来とされている。 ・ポロネーズ Polonaise(英・仏)Polonase(独)Polacca(伊) ポーランド宮廷儀式用の音楽が発展したもの バロック後期にはドイツに伝わり、バッハ・ヘンデルその後、ロマン派 時代にはベートーベン・シューベルト・ショパン等も多くの作品を残した。 ・マズルカ Mazurka(ポーランド) ポーランドの伝統的舞曲。18世紀にイギリス・フランスを始めとして 広くヨーロッパに知られた複合3部形式の舞曲。特にショパンの書いた マズルカ作品は高く評価されている。 ・ルーレ Loure(仏) フランスのノルマンディ地方にあったとされるバグ・パイプに似た管楽器 あるいはこの楽器の演奏による民俗舞曲のこと。17世紀頃は、この楽曲 を基にした作品が多く書かれたが、バロック時代以後、廃れてしまった。 ・リゴドン Rigaudon(仏) Rigodoon(英) フランス・プロヴァンス地方の民俗舞踊を起源とする6/8または3/8拍子の 軽快な舞曲。ルイ14世が宮廷舞踊に取り入れたことから、フランスそして イギリスでも流行した。近年ではグリーク、ラヴェル等が作品を残している。 ・ポルカ Polka(独) Polk(チェコ) 発祥や語源については不明。一般的には現在のチェコ・ベーメン地方に由来する とされる2/4拍子の躍動的なリズムが特徴。スメタナ、ドヴォルザークに秀逸な ポルカ作品が見られるが、一般にほとんど知られていない。J・シュトラウスの <アンネンポルカ>が最もよく知られている。 ・ガロップ Galop(英・仏) Galopp(独) Galoppo(伊) 馬の走り回るギャロップ(勇み足)から生まれた2/4拍子の速い舞曲。 J・シュトラウスの他、リストの半音階的グランドギャロップが有名である。 ・エコセーズ Ecossaise(英・独・仏) 信憑性にやや欠けるが、スコットランドの民俗舞踊を起源とする説がある。 古典派からロマン派の時代に多くの小品が書かれ、ベートーベン、シューベルト の作品に秀作が多い。 ・アングレーズ Anglais(仏) イギリスから伝わった舞曲をフランス風にしたもの。一般的にはテンポの速い 2拍子系の曲とされるが、3拍子の舞曲もあり、形式としては漠然としている。 J.S.バッハのフランス組曲第3番では4/4拍子としている。 ・タンブラン Tambourin(仏) タンブランはフランス・プロヴァンス地方の長胴を持った太鼓のような民俗楽器と この楽器の伴奏による舞踊のことを指し、通常一人でこの楽器とカルベ(小さな笛) を同時に持って演奏する。私たちがタンバリンと呼んでいるものはイタリア語で Tambrino(小さなタンブラン)という意味である。 ・タランテラ Trantella(伊) Taratola(毒蜘蛛)に刺された人を助けるために大勢の人々が集まり、疲れ果てるまで 踊り狂って毒気を抜くという伝説に由来する南イタリアの伝統舞曲で、現在も行われている。 3/8・6/8・12/8拍子の情熱的なテンポが特徴。ショパン、リスト等の作品でも知られている。 ・ワルツ Waltz(英) Valse(仏) Waltzer(独) Valzer(伊) ワルツの起源についてはいくつかの説がある。ひとつは16世紀プロヴァンス地方で始まった 舞踊曲Voltaがドイツに伝わりWaltserになったとする説。しかしVoltaはイタリア語であるから プロヴァンス地方を発祥とするのは無理があるとされる。より有力な説はドイツ・オーストリア の高原で踊られた舞曲、ドイツ語のWalten(回転)が語源であるというものである。 流れるような(Moderato)3/4拍子の舞曲で一般的に複合3部形式で書かれることが多い
『進化とは舞踏する指先の思考である』[戻る]
象徴的形態としての音
動物の行動においては、反応を生起させる<記号>は常に<信号>であるにとどまり
決して象徴になることはない。
命令に従って、椅子に飛び移るように訓練された犬は、椅子の代わりに2つの踏み台や
他のものが示されたりしても、それを決して利用しようとはしない
つまりここでは、音声記号(例えばハンドドラム上のD・E・T音)の刺激が反応の媒介
をしていないということでもある
なぜなら音声記号がそのように使われるためには、その記号が表現しようとしている行動の
固有の主題となることが必要だからである
このような種類の行動は、楽器を弾いたりキーボードを打ったりする能力の習得にも存在し
視覚的刺激(音符・文字)と部分的運動(特定のキーに向かう運動)との連結は本質的なものではない
しかしそれらを習得し熟練した人は、即興演奏。即ち見たこともない弾いたこともない音楽に対応する
流動的メロディをも楽しむことができるようになる
同一主題を様々に表現しうるこの可能性「パースペクティヴの多様性」こそが、動物の行動に
欠けているものであり、行動の中に認識という行為や自由な行為を導き入れるものである
それらは、あらゆる取替え・変換を可能とすることによって、<種>の要求によって指定された
機能的価値から「本源的衝動=本能の感覚」を開放する。
「本源的衝動=本能の感覚」は、それら行動を「TAR=運動的メロディ」と個別の要素を結びつけ
刺激を刺激として表し、物の固有の真理と価値とに開かれた<意味するもの>と<意味されるもの>
<志向>と<その目指すもの>との完全なる合致へ向かう行為は、象徴的形態とともに現れる
行動は単に1つの意味を持つものではなく、行動そのものが<意味>なのである
ハンドドラミングにおける進化のプロセスは、マクロ的に広がっていく発想を
ミクロの技術に「どう圧縮していくのか?」ということが大きなテーマとなる
マクロ的に広がる発想とは、形態に依存する形式の進化である
特殊な場合を除き音は、どのような「楽器=文明」を持つかによって存続する
▽ 進むべき音楽性(方向性)が決まる→進化の方向
歴史の推移から見ると「楽器」の多くは機能という付加価値を付け加えながら
音域・音色・音量の拡大へと発展して来たと考えられる
その結果、複雑な構造を持った「楽器=文明」が次々と生まれる
▽「楽器」は本来の意味を失い、ひとり歩きをするようになった
音楽は「快楽の追求」へと代わり 本源的な内部衝動から
機能的な価値「自然淘汰」へと変化していく
▽「保存」と「継承」という新たなプロセスが加えられ、形式化していく
4つの概念的構造が与えられ、それを補完するために8つの音を持ち
やがて「テトラコードを2つ重ねた音の高低」という音階に発展する
○ 『TAR』は『圧縮する』ことによって進化をしたドラム言語である
△ 『記号』『符号』『音』『意味』『値』『論理』を統合し『文字』が創られ
□ 『機能と構造』を持つことによってすべての要素が融合した『言語』が生まれる
□ D(ドゥン) T(ティク) C(カ) E(エス) = 土・水・火・風
4つの音・4元素はひとつの概念として表すことができる
○『記号・符号』化された言語は、多くの記憶領域を持ち、さらに文明を発展させていくのである
*- 閑話休題 -* *圧縮(コンプレッション) クラスターと呼ばれる論理領域に大量のデータ(マクロ)を記憶させるコンピューター技術 *起・承・転・結 = 常・住・虚・空(BC500以前の原始仏教)の考え方
『HAND DRUM MASTER になるための3つの鍵』
*-------------------------------------------------------------------------------*
* No.1 SEEK FOR OUT を知れ
* No.2 THINK IT AS ALL を学べ
* No.3 CENTER OF LIFE を理解せよ
*-------------------------------------------------------------------------------*
『音の始まりから儀礼へ』[戻る]
いくつかの考古学的資料から推測する限りにおいて
↓
先史時代の人間にとって、自然界は相似象であり
つまり自分と同質のものと信じるところから出発している
↓
これはある特定の地域に発見されている洞窟の壁などに
残されている動物や狩の様子の絵からも伺い知ることができる
↓
人は狩猟や漁で獲物がたくさん獲れ
子供が強く健康な体に生まれ、りっぱに育つことを願い
傷を癒し、病気を治すために魔術が必要であった
↓
この種のものは儀礼呪術と呼ばれ
大きなグループや氏族全体、時には国民全体が参加する儀式として
天候や収穫の季節あるいは災害の回避を求めるために行われていた
↓
最も初期の時代には、コミュニティは少人数から成るいくつかの集落
によって構成され、そうした小さな集落でも呪術が行われていた
↓
狩によって獲物を効率よく得るには「動物の格好」を
真似する模倣呪術が行われ、有名なものに「シカダンス」
シカの皮を着た人間が踊るものがある
↓
フランス、アリエージュのトロワ・フレー洞窟には
呪術師がシカの皮を着てダンスをしている様子が壁に描かれている
Sorcerer,Toris-Freres, C.15,000-10,000 b.c
↓
これは「人は宇宙の写しである」という信仰や
「似たものは似たものを生む」という原理が尊ばれていたと考えられる
↓
これらは一般に2つに類別され
模倣・類感呪術 imitative magic と感染呪術 contagious magic と呼ばれる
そもそも人類がその始まりから音というものを手に入れるまでには、どれほどの時間と努力
が必要であったのだろうか?先に触れた先史時代では、私たちの祖先は「自然の写し」である
ことを信じ、それを如何にして手に入れるかを考えて来たと考えられる
これらは、過去の多くの文明や遺跡の示すもの、また今日も変わることなく追求されるテクノロジー
半導体技術の進歩を見る限りにおいて、そこに何ら疑問を挟む余地などはないことも理解できる
世界で最も古い石器は250万年前、エチオピアのカザールの西ゴナ遺跡から発掘された
ハンドアックス(磨製あるいは打製石器)と呼ばれる自然石を利用して作られたものであった
それらは、その後氷河期を挿み、狩猟時代を経て様々な道具へと発達して行ったと考えられている
そこから推察できることは、おそらく人類が自然から得た最初の知恵は、「叩く・磨」であったのだろう
ただ「叩く」という行為について言うのなら何も人間だけに限ったことではない
ダーウィンの進化論から言えば、私たちの遠い祖先にあたる猿にも、同じ行為が見られる。特に知能の
高いチンパンジーは、群れのボスを決める際、木の枝で地面を叩いて相手を追い払うという行動を取る
また、ゴリラが胸を叩く行為もドラミングと呼ばれ、こうした行動は、クジラや鳥など他の動物にも見られる
人間を定義するものは、生物学的自然の向こう側に第二の自然−経済的・社会的・文化的自然を
創造する能力ではなく、むしろ既に創造されてある古い構造を超えて別の構造を創造する能力
これらは人間の行動の特殊な産物の中に多く見られる
例えば、猿が目標に届こうとして木の枝を引き寄せるというのも、猿は自然の対象に機能を付加し
得るが、しかし、それらは他の道具を準備するための道具とはなり得ない
また一旦、猿にとって棒となった木の枝は、もはや木の枝としては存在しなくなる
これはつまり、「木の枝」が言葉の意味において、所有されているのではないということを意味している
ところが人間にとっては、棒となった木の枝は「棒・と成った・木の・枝」
2つの異なった機能的価値、つまり「自分にとって」様々な角度や局面から見ることのできる
同一の「もの」で在り続ける
つまり本来の人間的意識…言い換えれば、この<生きられる>意識が
弁証のすべてではないという見解も成り立つと考えられる。
ここでの自然とは互いに外的で、因果の諸関係によって結ばれた多様な出来事を意味する
物理的自然については、批判的あるいは帰納主義的な考え方がその問題を解決している
物理学的分析とは物を実在的諸要素に分解することではなく
また実際的な意味での因果性も、物を算出する作用ではないということでもある
結論から言えば
「私たち人類が今まで、その言葉に与えてきたような意味での物理的自然は存在しないし
世界には、精神に無縁なものは何も無い。
この世界は、意識よって支えられた客観的諸関係の総体である」
ということを証明するようなものである
つまり「物理学的宇宙は意思を持つものである」ことを認める結論に至ったということである
それら意思「エネルギーの創造」 ー 物理的・精神的あるいは生物的エネルギーであろうと
すべての生命活動にとって、生きる根底に予め備わっているもの、形成されているものである
ところで「磨」という行為は、動物世界の中でも人間に特有な行動である
例えば、石器を例に取るならば「叩く」→「割る・砕く」→「磨」のプロセスを加えることに因って
狩猟の効率を上げるために、より鋭利な刃を持った道具を作ることが可能となる
それは結果として優れた道具となることが予めわかっていて、その方法を選んだということでもある
そこに明確な意思決定があって、初めて手に入れることにできる道具と考えてもおかしくはない
なぜなら「叩く」は本能に根ざした本源的衝動にも見られるが
「磨」は、明らかに積極的意志を持たなければ成し得ない行動だからである
つまり自然を利用することから、自然を積極的に変質させることへ進歩したのである
もし私たちが進化のプロセスを持ったのだとしたら
それは「磨」に始まったとも言えるのではないだろうか
つまりハンドドラムは「叩く」というよりも「振動」という打法に答えがある。
ところで唯物史的に言うならば、道具を持つことによって人間は進化するべき存在であるはずが
その石器が作られてから約230万年くらいの間、およそ人類の生活状況や社会的状況は
あまり変わっていないというのも実に奇妙な話である。
約700万年前にアフリカでサルと分かれた猿人は、ホモエレクトス(原人)からホモハイデルベルゲンシス
(旧人)を経て、約20万年前にホモサピエンス(新人)に進化したと考えられている
「アフリカ起源説」では、新人は約10万年前にアフリカを出た後、約6万年前に世界各地へ広がり
ネアンデルタール人やジャワ原人へと進化したとみられている。
*現代人(新人・ホモサピエンス)の化石は、約19万年前の頭部化石がアフリカ・エチオピアで
発見されている (英科学誌ネイチャー発表)
仮に「進化してこなかったということ」を考えるのなら、それらを裏付ける何か他の考古学的資料は
というと、むしろ逆に多数存在している上に、それらは一貫して共通した内容部分を持っている
中にはその歴史的根拠があるものもあれば、およそ想像し難い話まで登場するが
少なくとも20万年前に突如として地球史に登場するホモサピエンスよりは、幾らか人間に近い話である
ここには唯物史とは明らかに異なる「神話と呼ばれるもうひとつの歴史」が存在するのである
それによれば「人類が最初に手にしたテクノロジーは音である」と考えられている
『音には秘密の力が隠されている。』という謎[戻る]
その昔、人間は音が世界の始まりにあたって存在し、言葉の形式をとる大自然の要素であると考えていた
音が重要な役割を果たした世界創造の伝説は数多く残されている
*古代エジプト
人はトート神(THOTH)が声によって世界を創ったものと信じていた
「神の目ホルス(HORS)と神の生み出した音から
4大神が生まれ、同じ力が授けられた
そして神々は、世界に人を住まわせ、組織を与えた。」
*ペルシアやインドの哲学的思想
宇宙は、音響的実体から創り出されたと考えられている
「世界は、最初の音によって創られ
原生の深淵から発生した時、光になり
この光の部分は次第に物質になった。
しかし、この物質化は絶対的完全体ではなく
依然として創造時の音響的実体を保有している。」
*古代ギリシャ
音の振動が数と占星術に関係があるという数学的思考を通して
音をコスモス(宇宙の原理)に結びつけた
ピタゴラス派の哲学者たちは
宇宙の構造的一要素として音階を捉えピタゴラス平均律を提唱した
*東方ビザンチン系キリスト教
宗教的旋律は天使たちの賛美歌であって、人間の耳には聞こえないが
霊感を受けた人間によって伝達され聞くことができる
○中世・ルネサンス期の表現理念
1.デコルム 自己習得 : 技術を磨き伝統に精通し自己をコントロールする
・誕生−着想−与える
・心MIND)・肉体(BODY) = 職人・労働者
2.スプレツァトゥ−ラ : デコルムの段階で身に付けたことを忘れ、勇気と大胆さを持って事にあたる
・生−行為−受け取る
・精神(SPIRIT)= 芸術家
3.グラツィア : 自己制御できない領域 「神憑りの狂気」「至高の静けさ・至福」
・死−結実−戻す
・魂(SOUL)= 神
このように、人間はかつて、音を超自然的起源を持つものと考え
見えないけれども存在する世界との交流手段として宗教儀式や呪術治療に用いてきた
しかし音楽と違って楽器の多くは、超自然界との結びつきを失っていった
今日でも、ある種の楽器は呪術的な力があり
超自然的存在が宿っている あるいは、それを象徴していると信じられ
太鼓や弦楽器などがそうした対象として敬われている地域では
生贄や食べ物を捧げる風習がある
楽器は、人間が作り、改良することのできる具体的な対象であり
今も尚、ある種の魅力を備え、常に神秘的な訴えかけをしている
古代も現代も、楽器を手にする者は、自己とその楽器を同一視するものであり
楽器は身体の延長であり、その人間の内部発動的衝動を音に変え
それらを開放するのである
一般的には「意識されている音」と「意識されていない音」とは互いに階層的な関係
にあると考える方が分かりやすい。つまり、表層として「意識されている音」の下層に
「意識されていない音」の膨大な活動領域が潜んでいると考えるわけである
精神分析で言う「無意識」という概念はこのような考え方を代表している
ただしこのような階層的な関係が楽音の構造のすべてではない
音の要素を変換する一定の文法(ルール)を持ったものは、
それを構成する要素が増加し、変換の動きが増し、経験の記憶が蓄積されるにつれて
構造の網目が複雑化し、肥大して、自動性を増し、
一個の小宇宙つまり「要素的音」と呼ぶものへ育って行くと考えられる
音とはこのような「要素的音の集合」と考えられる
前項で触れた「叩く行為」と「磨く行為」を例にするなら
「叩く」は「意識されない音」であり「磨く」は「意識された音」と解釈することができる
『身体に内在する音的宇宙観には以下に示す7つのチャクラがある』
[戻る]
*母音振動は、チャクラの活性化を促進し、心身の浄化と深い瞑想状態を喚起すると云われる
これらは、チベット密教ニンマ派の倍音声明が母音発声の修練法として知られ
発声する母音は、次の7つのチャクラに対応しているとされる
第7=「N」音:サハスラーラ・チャクラ (頭頂) 紫 全宇宙的な聖なる意識
第6=「I」音:アージュニャー・チャクラ (眉間) 藍 潜在意識・直観力・無意識
第5=「E」音:ヴィシュダ・チャクラ (喉) 青 意志・伝達・言語
第4=「A」音:アナーハタ・チャクラ (胸) 緑 真実愛・覚醒・出会い
第3=「O」音:マニプーラ・チャクラ (鳩尾) 黄 達成力・支配力・統率力
第2=「U」音:スヴァディシュターナ・チャクラ (丹田) 橙 歓喜・創造・悦楽
第1=「M」音:ムーラーダーラ・チャクラ (尾骨) 赤 生命の源
○人間が知覚できる「音」は周波数によって決まる
音には、基本となる周波数(基音)以外に、その周波数の倍数の振動が含まれているこの整数倍の音(振動)のことを一般に、倍音(オーバートーン)と呼んでいる
* 純正律・ピタゴラス音律Fは4/3
* 純正律Bbは7/4・ピタゴラス音律Bbは16/9
| 基音 C | |
| 第 2倍音 C' | 基音の完全8度上 |
| 第 3倍音 G | 2倍音の完全5度上 |
| 第 4倍音 C' | 3倍音の完全4度上 |
| 第 5倍音 E | 4倍音の長3度上 |
| 第 6倍音 G | 5倍音の短3度上 |
| 第 7倍音 Bb | 6倍音の短3度上 |
| 第 8倍音 C' | 7倍音の長2度上 |
| 第 9倍音 D | 8倍音の長2度上 |
| 第10倍音 E | 9倍音の長2度上 |
| 第11倍音 F# | 10倍音の長2度上 |
| 第12倍音 G | 11倍音の短2度上 |
| 第13倍音 Ab | 12倍音の短2度上 |
| 第14倍音 Bb | 13倍音の長2度上 |
| 第15倍音 B | 14倍音の増1度上 |
| 第16倍音 C | 15倍音の短2度上 |
[倍音の特性]
倍音は、互いの音の周波数の関係が2倍になっている状態が最も良く調和する音の高低を、波形が1秒間に何回繰り返されるかを基準にした周波数で表すと
1オクターブ高い音は、周波数が2倍、1オクターブ低い音は半分となる
倍音は、同じ高さの音でも、形や素材によって音色が異なり、基音からは遠ざかるほど弱くなる
また同じ弦上においても、指を押さえるのと触れるのとでは、音に違いがある
ピアノでは、ハンマーが弦を叩く打点は、不協和音程であるために
弦の長さの7分の1、高音では第7倍音以上を強調する設定が施されている
打楽器の場合、基音成分よりも倍音成分を多く含んでいるので
太鼓などのヘッドを持った楽器は、中心を叩くと第2倍音を消されてしまう
そのため、ヘッドの半径1/3の部分が最も良い響きが得られると言われる
*弦楽器で用いられるハーモニクス奏法は、この倍音の性質を利用し
弦上の一点に軽く指で触れ、倍音を調節しながら音を出す技法である。